Chemchem ya Amani TANZANIA

 

もうひとつの活動

 これまでに書いたように、現在ストリートの子供たちとは話をすることしか出来ていない状態です。Rashidiの家に戻すことも、ノラ(彼らの支援者)たちが来て、彼ら難しい子供たちをどう対応していくか話し合うまではストップするという話であり、6月に来ると聞いていた彼女たちから未だに連絡がないため、外の人間である私は今はどうすることも出来ません。そしてストリートの子供たちが好きなことをして暮らすストリートの生活を選び、施設で暮らし、勉強するための支援を必要としていないのなら、他にもまだたくさんいる支援を必要としている子に手を差し伸べるべきではないかと考えました。

 モシのNJOROという地区は、下町という雰囲気で、低所得の人々が多く住む地域です。人口が多く、あまりきれいな場所とは言えず、治安もあまり良くないと言われています。観光客はまず来ない地域です。 一ヶ月¥400で借りられる、崩れそうな土壁の家が多く建ち、モシに出稼ぎに来た人々なども多く住んでいます。大きな町モシとはいえ、仕事は少なく、そういった家に住む人々は自分の畑も持っていないので、森に薪を拾いに行って売ったり、日払いのアルバイト(畑の収穫の手伝いなど)を見つけてはわずかな収入を得て暮らしています。

 NJOROにももちろん子供がたくさんいます。昨年知り合った子供達も、多くがこのNJORO出身の子たちでした。
 タンザニアの小学校は学費が無料ということになっていますが、完全に無料な訳ではなく、学年ごとに一定額の集金があります。給食費、警備員や給食のおばさんのお給料、水道代、テストの印刷代、学校の修理費などとして集金されます。金額は学校によって異なりますが、多くても¥2000程度のようです。しかしその額を払えない、もしくは払わない家庭が多く、学校側はそういった生徒を教室に入れなかったり、成績表を渡さず、留年させたりします。
 他にも制服や靴などはもちろん各家庭で用意しなくてはならないのですが、それも出来ない、もしくはしない親が多く、学校はシャツやズボンが破けていたり、黒の靴を履いていなかったりすると追い返したりもします。
 
  NJOROにも、このようにきちんと学校に通えていない子供たちがたくさんいます。学校に行きたいのに行けない子供たち。もちろん親の責任ではありますが、子供の責任ではありません。私は彼らの生活を何から何まで助けることはできませんが、せめて追い返される心配なく学校に通わせてあげたいと思いました。幸い、何人かの方から「寄付金はタンザニアの子供たちのために使ってください」と言っていただきましたので、頂いた寄付金の一部と、募金箱に入れて頂いた寄付金を利用して、学校に通えない子供たちの学費・制服等を支払わせて頂くことにしました。

 まず、学校にきちんと通っていない子供や、頻繁に家に戻されている子供を、口コミで探しました。そして子供たちの家に行き、親や養育者と話し、子供とも話をしました。その後、それぞれの小学校に行き、担任の先生に学校の通学状況、成績、学費の支払い状況等を調べました。その後で、学費を私自身で学校に支払い、制服や靴、ノートなどを購入して子供たちに渡しに行きました。
 
 現在、4人のNJOROの子供たち(男の子2人、女の子2人)を支援しました。一人当たり平均¥2000相当の寄付になりました。
 
  NJOROはその日食べていくのに精一杯の家庭も多く、小さな子供たちも学校に行かずスクラップを拾ってお金を稼いだりしています。そういった生活に慣れた子供たちが、家を出て、ストリートで暮らし始めるのです。子供たちは小学校だけでもきちんと終えるべきだと思います。子供たちの親の多くは小学校を中退しています。字も書けない、計算もできないのでは、もともと少ない仕事がさらに限られてしまいます。学校にきちんと通うことで、将来もう少しまともな生活ができるのではないかと思っています。

Rashidi Yasini (8歳/小学校2年生)

 Evanceの近所に住む子供で、彼に紹介してもらいました。
 両親と、兄弟3人の6人家族の長男。ひと月400円のワンルームに6人で暮らしています。
 両親は健康で、1つ10円の揚げ菓子を作って売ったり、畑のアルバイトをするなど一生懸命働いていますが、家族が多いので、2年生の学費が滞納になっていました。 
 彼自身は学校がとても好きで、勉強もよく頑張っていました。彼には学費と、制服・靴を買って渡しました。





Jimmy Cliff (8歳/小学校2年生)

 この子もEvanceの近所に住む子で、彼に紹介してもらいました。
 おばあちゃん、お母さん、おばさん(お母さんのお姉ちゃん)と4畳程の窓もないワンルームで4人で暮らしています。畑を守る変わりにタダで住まわせてもらっています。お父さんは逃げてしまいました。
 おばあちゃんの薪拾い、おばさんの不定期のアルバイトに頼っています。お母さんは胸の病気で体を使う仕事ができませんし、小学校も行っていないので字も読めません。収入が少ないので、1日1食しか食べていないと聞きました。
 学費は2年間未納であり、学校にほとんど通っておらず、勉強はかなり遅れを取っています。彼には学費と補習料、制服・靴・靴下・ノート・鞄・鉛筆を買って渡しました。


Sauda Mussa (10歳/小学校4年生)

 この子はEvanceのお母さんに紹介してもらいました。
 お母さんとお姉ちゃん、お姉ちゃんの子供、お兄ちゃん2人と暮らしています。お父さんは交通事故で亡くなりました。長男に頼っていましたが、精神異常となり、家に戻って来なくなってしまいました。他の兄弟とお母さんで薪を拾って暮らしていますが、お母さんは高齢で、足を悪くし、最近森に行けません。家は自分のもので家賃はありませんが、畑等は持っていません。
 学費は4年生の分が滞納で、4年生は試験のある大事な学年であるのと、成績優秀であることから、学費と、制服の支援をしました。



Agripina Focus (8歳/小学校2年生)

 この子はモヨの家で知り合った青年イノの妹です。
 お母さんとお姉ちゃん、お姉ちゃん、お兄ちゃん2人とひと月400円の家に暮らしています。お父さんは離婚して出ていき、再婚し、養育費はもらっていません。お母さんは借りた畑で作った野菜を売ったりもしますが、心臓の病気があり、あまり仕事ができません。イノがスクラップを拾って売っています。弟もストリートでスクラップを拾って暮らし、家にはたまにしか帰って来なくなってしまいました。
 学費は2年生の分が滞納で、学費と、制服、靴の支援をしました。

  • posted by naomaru さん
  • 2008-8-12 23:36
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